昨年の桜庭和志VS秋山成勲戦で浮上した、保湿クリーム塗布及びグローブチェックでの不手際の問題を受け、HERO'S審判団は何度も話し合いを設け、選手の意見を聞きつつ協議を重ねてきた。その結果、『OLYMPIA HERO'S 2007開幕戦~名古屋初上陸~』(3月12日、名古屋市総合体育館レインボーホール)から、改正された新しいルールを適用することとなった。


ルール改正を今回から実施


 改正されたルールは、こちらを参照。大きく変更した点は、(1)グローブ・バンデージのチェック方法の改正。(2)ワセリン・滑り止めなどを含む、いかなる塗布物も試合前日から使用禁止。(3)インスペクター(調査員)の導入。(4)失格となった場合、その者は敗者。(5)違反者へのペナルティの明確化などだ。
 礒野元・HERO'Sルールディレクターは、その変更点を説明した。


入場直前にグローブ着用

 まず(1)のグローブ・バンデージチェック方法だが、試合用に使用するコスチューム、バンデージ、ファウルカップなどは競技本部にて厳重にチェックされる。グローブの下に巻くバンデージは、支給されたものをその場で装着。そして、試合直前の入場ゲートでの待ち時間に、初めて試合用のグローブが渡され、そこでつける。その際、審判員は手に水を含み、選手が塗布物をつけていないかチェックする。また、試合後は審判員が立会いの元で外される。


試合前日から塗布物禁止

 (2)の塗布物を試合前日から使用禁止する項目に関しては、ワセリン・滑り止めはもちろんのこと、スキンクリームなども使ってはいけなくなる。ただし、すべての時間を審判員が監視することは困難なため、とくに会場入りをしたときに厳重なチェックをする。


監視員が12名投入

 (3)のインスペクターの導入は、これまで存在していなかったが、今回からトータルで約12名が控室(※控室は各選手が一つではない)、ウォーミングアップ室などにそれぞれ配置される。


失格者は敗者となる

 (4)の失格についての定義は、ノーコンテストとなっていたが、失格者を敗者に、やられた方を勝者にして公式記録に登録される。(この場合、表記としては『失格による勝者・敗者』とわけ、『テクニカルノックアウト』)となる。


ファイトマネー100%没収も

 (5)の違反者へのペナルティは、悪質な反則、反則を何度も繰り返す行為、グローブ・バンデージの細工、契約体重の違反、ドーピング違反などの重大な事実が発覚した場合は、ファイトマネーの100%没収、6ヶ月の出場停止処分となる。また、過失によって失格となった場合は、3ヶ月以上の出場停止が言い渡される。
 試合前や試合中に塗布物が発覚したときは、以前はペナルティが10%だったが、50%への変更となった。


ロープも4本に変更

 以上が、改正後の主なルール変更点。他にも、ロープが5本から4本へ。リングはK-1ヘビー級で使っている大きいサイズを今回から使用。シチュエーションにもよるが、基本的に選手は、動きのあるときにタイムをかけても受け入れられない、などといったことも合わせて発表された。
 また今後、さらなる改正点が出ることも想定されるが、HERO'Sはつねに前向きに、より競技化を突き詰めていくこととなる。■


» 『OLYMPIA HERO'S 2007 開幕戦 ~名古屋初上陸~』実施概要
HERO'Sルール(2007年3月7日改正)

ルール改正に関する発表をする、HERO'Sルールディレクターの礒野元氏



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