壮絶なKO、一本勝ちの連続で大いに盛り上がった『OLYMPIA HERO'S 2007 開幕戦 ~名古屋発上陸~』の翌日、一夜明け会見が行われた。
 会見に出席したのは、前田日明スーパーバイザー(SV)をはじめ、所英男、柴田勝頼、船木誠勝氏の4名。激戦を振り返りつつ、今後の展望を語った。


柴田に元気やKID級の期待


「昨日、生まれました。何かがようやく始まった実感があります。これからですね…、ケガを早く治して次に備えます。武器を磨きます」と柴田は、会心の勝利を振り返った。心配されていた拳の負傷に関しても、「レントゲンをとって、折れてはいないことを確認しました。痛めているだけです。人間の頭って硬いんだなって思いましたね(笑)」と余裕の表情。練習も2週間後には再開する予定であることを明かした。ケガを心配していたファンも、これで胸を撫で下ろしたことだろう。
 山本宜久をわずか9秒でKOし、本格的な総合デビュー戦で観客を驚かせた“狂拳レスラー”柴田の誕生に、前田SVは複雑そうな表情を浮かべたが、谷川FEG代表は上機嫌だ。囲み会見でも、「柴田選手はいいですね。須藤元気、山本“KID”徳郁選手のようになってほしいですね」と、大きな期待をかけていることを告白した。さらに、「プロレスラーで一番の知名度にしたいですね。プロレスラー=柴田勝頼と言われるくらいの期待をかけて、プロモーションをしていきます」と約束。柴田がデビュー戦で残したインパクトは、それほどまでに大きいものだった。
 柴田のセコンドを務めた船木誠勝氏も、「これからが大変ですが、どこまで強くなれるかを求めて、トレーニングをしていきたいです」と愛弟子に期待をかけつつも、これから先の試練に立ち向かう覚悟を語った。柴田にとっても、マンツーマンで指導してきた船木にとっても、この勝利が大きな一歩だったことは間違いない。全面的なバックアップを得て、柴田は大きく成長していくことだろう。


所がシャオリンに対戦要求!!

 安廣一哉から一本勝ちを奪い、見事にメインイベンターとしての重責を果たした所は、「昨日はキッチリ、一本が取れてよかったです。たくさんの応援があったんで、下手な試合はできないなと思っていました」と、ホッとした表情をみせた。対戦相手が急遽、永田克彦から安廣に変更になったアクシデントをものともせず、“ほぼ故郷”に錦を飾ることができた(所は岐阜県出身)。そのキャラクターからは想像できない強心臓ぶりは、さすが所だ。
 しかも、「昨日の試合を観ていて、ビトー“シャオリン”ヒベイロ選手と対戦がしたいと思いました。上山(龍紀)選手は、あれだけディフェンスがうまいのに一本をとってしまって、どれだけ強いのかを体感したいですね」と、対戦要求まで飛び出した。ところが、記者から寝技の攻防を魅せる自信のほどを訊かれると、「今はあんまり自信はないです…」と、かなり弱気な発言で隣にいた前田SVをズッコケさせる場面も。やっぱりこの男は、掴みどころがない。
 しかし、この対戦が実現すれば、ハイレベルな寝技の攻防が繰り広げられるのは必至。所VSシャオリンのマッチメイクを望むファンも多いはずだ。


アメリカ大会の展開は?

 会見では、6月に開催予定のHERO'Sアメリカ大会の話題に。その全貌はいまだベールに包まれているが、谷川FEG代表は手応えを感じているようで、「ダナ・ホワイト(UFC代表)が腰を抜かすようなことになるでしょう」と自信満々にコメント。出場選手に関しては未発表ながら、「メルヴィン・マヌーフ選手やマイティ・モー選手なんかは、アメリカで話題になりそうですね」と、前日に活躍した二人の出場も十分に可能性はあることを示唆。日本人だと、UFCへの出場経験のある宇野薫、アメリカでも大人気の桜庭和志にも参戦の期待が高まるが、谷川プロデューサーは慎重な姿勢。最終調整は、これから行われるようだ。
 いったい、ダナ・ホワイト社長が腰を抜かすような発表とは、いかなる内容なのか。今後の動向に注目してほしい!!■


» 『OLYMPIA HERO'S 2007 開幕戦 ~名古屋初上陸~』大会結果


昨夜、衝撃の9秒殺でデビュー戦を飾った、“HERO”柴田が一夜明け会見に出席

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昨日の激闘を振り返った前田SV。格闘技界を牽引してきたU系選手への肉体のダメージを気遣っていた
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名古屋の象徴・シャチホコ像の前で、打倒・シャオリンを誓った所。日本の寝業師が世界に挑む!
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柴田のセコンドも務めた船木誠勝氏と前田SV。今後のHERO'Sに何を仕掛けるのか!?
 ph今大会の平均視聴率は、12.1%と昨年の数字を上回った。次回のアメリカ大会にも期待がかかる!

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