桜庭和志が、秘策を完成か!? 桜庭はこの日、『SoftBank presents Dynamite!! USA in association with ProElite』(6月2日=現地時間、アメリカ/ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム)のホイス・グレイシー戦へ向けて、ロサンゼルスに新設された『シュートボクセUSA』で最終調整。この練習の取材に成功した我々オフィシャル取材班は、とんでもないシーンを目撃することとなる。
■桜庭の秘策(?)で高橋がタップ
「ああ、ダメダメ。外してくださ…」
桜庭の上に乗っていたはずの高橋渉が、思わずそう叫んだ。ニヤリと笑った桜庭が技を外すと、「ヤバイ、ヤバイ。マジで落ちそうでしたよ…」と高橋は息を整えた。
「あれはね、外そうと思っても外れないんだよ。腕にグローブが引っ掛かって、相手が暴れば暴れるほど技が極まっていく。だから、すぐに外そうにも外せない」と桜庭は説明した。その秘策の名前を訊くと、「さあ、なんて言うのか僕にも分かりませんね」とサク節ではぐらかした。ホイス戦への秘策かどうかは分からないが、あの形に完全に入れば、一本か失神KOになるはずだ。
どんな技かはここでは書けないが、桜庭が下の状態でホイスを落とせば、その技だと思ってもらっていい。
「本当は汗で滑るので、次への技へ連携するものなんですけどね。でも、入れば極まりますよ」という危険な技だ。
落ちそうになった高橋は、「あれは抜けられない。絞められたときは、ヤバイと思いました」と証言した。もともと桜庭は、極めの強い選手。ホイスとの寝技勝負なっても、互角以上に闘えることだろう。そこで秘策が出れば、ホイスを返り討ちにできるかもしれない。
■極めまくり、キレまくり
ブラジルのシュートボクセで練習を積んできた桜庭は、日本へ帰国して、22日は現地入り。3日間のメディカルチェックを受けて、ロスの『シュートボクセUSA』で練習を続けているという。試合直前だが、桜庭は調子がいいのか、高橋を極めまくり、ミット打ちでも鋭いミドルキックを連発させていた。これも、シュートボクセでの練習の成果なのだろう。
スパーリングでは高橋の肩固めでタップする不安材料もあったが、「あれは、たまに取らせてあげないと渉がイジケるからです。本当は技に入らせてあげて、逃げようとしたら体制を立て直されて技が入っちゃいました」と桜庭は、それでも余裕のニコニコ顔。何も問題はないみたいだ。
■悪魔の囁き戦法、炸裂か!?
それにしても桜庭は、楽しそうに練習をこなす。スパー中に「おお、ヤバイ」「ああ、疲れたなぁ」と話しかけ、つねに自分のペースへ持っていくのがうまい。桜庭の囁き戦法にも翻弄されている高橋は、「あれをやられると、つい止まって見ちゃうんですよね」とポツリ。桜庭は、「引っ掛かる方が悪い。話しかけて頭を上げたら、すぐにスリーパーをとっちゃいますよ」と返した。
これまでは試合中でも日本語で話すだけだったが、ブラジルで練習した桜庭は、ポルトガル語を少しは覚えて来ている。大好物のブラジルの卵焼きの作り方を、試合中、ホイスに語りかけて一本を取るなんて話術も駆使するかもしれない…。
それはともかく、声がよく出るほど調子がいいとみるべきだろう。
■10万人を魅了するのは、サクだ!!
スパーリングとミット打ちを中心としたメニューをこなし、約2時間の練習が終了。いつもならば、練習は10分ほどしか公開しないようだが、この日だけは特別だったようだ。それも、桜庭が絶好調の証拠。
約10万人も収容ができる『ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム』の会場視察に関しては、「べつにしませんよ。する必要がないですから」と、気負った様子はまったくない。心身ともに充実し、調子をさらに上げてきた桜庭は、今のホイスは眼中にないのかもしれない。10万人の観客を魅了するのは、やっぱりサクになりそうだ。■
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