休憩なし! 30分間ぶっ続けの公開練習

 公開練習が始まると柴田は、船木氏を相手になんと20分間に及ぶミット打ちを披露。鋭いジャブ、重いフック&アッパー、タックルに合わせることを想定したヒザ蹴りを次々とミットに叩き込み、小気味いい音をジム内に響かせていた。ミット打ちが終わると次は10分間のマススパーリング。ロープ際での差し合い、インサイドガードでのポジショニングなど、組技を中心に力強い動きを公開した。ミット打ちとマススパーで、締めて30分間。公開練習とは思えない、報道陣も息を呑むほどのハードトレーニングが展開された。
 練習終了後に行われた囲み会見でも、この日のハードトレーニングに質問が集中。しかし船木氏は「昨日がちょっとハードだったので、今日はちょっと緩めの内容です」と告白。さらに船木氏は「休憩を取るとそこで集中力が切れてしまうことがあるので、練習の間に休憩は取りません。早い時は30分、長い時は1時間半ぶっ続けでやります」と普段の練習について説明した。
 驚くのは、この練習をこなせる柴田のスタミナだ。「2年くらい前に一緒に練習を始めた頃は、3分5Rでミット打ちして、5R終わったら疲れていましたからね。ヘトヘトの状態でスパーリングをやるって感じでした。今はもう別人ですね」と船木氏。この日も、休憩は一切挟まず、最後まで柴田の動きが鈍ることはなかった。明日明後日の土日は軽く休んで、来週の中頃以降は軽めの練習。疲れを完全に取りきり、試合当日に臨む予定だ。


動物的な勘で相手を倒すミラクルパンチ

 3月の名古屋大会では右拳を骨折してしまったが、今はもう「大丈夫です」と柴田。船木氏は「骨折する前よりもパンチが強くなりましたね。今まではやたらめったらにパンチを打っていたんですけど、怪我したことによって逆にいい感じで力の抜き加減ができるようになったようです」と意外な怪我の功名があったことを明かした。さらに船木氏は柴田のパウンドについても言及。「かなり重いんですよ。アゴの先にでも当たったら失神しちゃいますよ。スパーリングでも『本気で打たないでくれ』って言っちゃうくらいです(笑)」と高評価している。
「(ハレックの)ビデオを見たんですけど、小さい頃の映像なんですよ……。15歳くらいの時の映像じゃないですかね?」。こう柴田が語ったように、相手の情報が少ない中、ハレック・グレイシー攻略として考えているのはやはり打撃のようだ。
 柴田が「自分にあった闘い方をするのが一番かと思います。距離を取って殴る闘い方です」と語れば、船木も「まともに関節技だけだと向こうのほうがうまいです。だから、今、柴田の一番得意な部分で闘ってほしいと思います」と同意見。さらに船木は「柴田には、キャリアではどうしようもない、"勘"で相手を倒すような部分を頼りしてほしい。動物的な勘というか、動きの中でそこに顔があった、急所が見えた、そこでたまたま自分の手が空いていたって時に、自然と思いっきりパンチが出る。ミラクルパンチですね。そういう時のパンチって相手も来ると思っていないから、意外と効いてしまう。柴田はそのような天性の部分を持っています。本能的に闘ってほしいと思いますね」と期待を寄せた。
 試合まであと10日。柴田はMMA2戦目にしてグレイシー越えを果たすことはできるのか!?■

»『OLYMPIA HERO'S 2007 ~ミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦~』実施概要
»柴田勝頼:プロフィール

ミット打ち20分、マススパー10分、30分間休憩なしで行われた公開練習。柴田の動きは最後まで鈍ることはなかった

photo
試合まであと10日。船木氏の指導にも熱が入る

photo
公開練習終了後の囲み会見で船木氏は「柴田には本能的に闘ってほしいと思います」とコメント

photo
MMA2戦目。脅威のスタミナ、そしてミラクルパンチで打倒ハレック・グレイシーを目指す!!

Copyright (C) 2007 HERO-S Mail to:
Copyright (C) 2007 G.T.Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
当サイトで使用している写真およびテキストの無断転載を禁止します。