■ロシアの強豪、セルゲイ・ハリトーノフ参戦!
会見の冒頭、まずは谷川貞治FEG代表が、『OLYMPIA HERO'S 2007 ~ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦~』(9月17日/横浜アリーナ)の追加対戦カード、セルゲイ・ハリトーノフvsアリスター・オーフレイム、メルヴィン・マヌーフvsファビオ・シウバを発表。
カード決定の経緯について谷川代表は「PRIDEで戦慄の強さを発揮していたセルゲイ・ハリトーノフ選手が今回、参戦することとなりました。対戦相手は、ゴールデン・グローリージムのアリスター・オーフレイム選手です。アリスター選手もPRIDEのミドル級のトーナメントで常に上位にいて、立ち技のK-1ルールにも対応できる選手ですので、激しい試合が期待できると思います」
さらにメルヴィン・マヌーフに関して「相手はファビオ・シウバ選手に決まりました。ヴァンダレイ・シウバ選手やアンドレ・ジダ選手のようなシュートボクセらしい雰囲気を持った選手なんですが、前回7月にジダ選手のセコンドで来日した際、メルヴィンが軽量をしていた時に喧嘩を売りに行ったらしいんですよ(笑)。ガンを付けて、『オレと勝負しろ』みたいなことを言ったらしいんです。メルヴィンのコーチのマイクさんが慌てて止めに入ったという経緯があります。そういうこともあってメルヴィンも怒っていたので、試合を組んでみようと思いました。バチバチの殴り合いになることは必至ですので、期待してください」とコメントした。
また、ハリトーノフの所属チームについては「いろんな噂が上がりましたが、正確にはCLUB VOLK HAN所属の選手として出場します。CLUB VOLK HANというのは、リングス・ロシアの中にある、ヴォルク・ハン先生のチームです。セコンドには、ハンさんとイリューヒン・ミーシャ選手が付くことになっています。そして、立ち技はゴールデン・グローリージムで練習していきます。これはどういうことかというと、ハリトーノフ選手は『K-1ルールにも参戦したい』と強く言われていまして、HERO'Sに参戦した理由は、『総合だけでなくK-1にも挑戦したい』という意向があったからなんです。ハリトーノフ選手がK-1ルールでどこまでやれるのか、それも期待したいと思います」と説明。今後は、HERO'Sだけでなく、K-1への道も用意されていることを明かした。
■ハン「HERO'Sをロシア勢で支配したい」
続いて、ハリトーノフの所属するCLUB VOLK HANを主宰するヴォルク・ハン氏より届けられたビデオメッセージが公開された。ビデオの中でハン氏はハリトーノフを皮切りに、続々とロシアの精鋭をHERO'Sに送り込むことを明かした。(詳細は別枠の映像&コメント参照)
前田日明HERO'Sスーパーバイザーは「HERO'Sの世界戦略としてアメリカのPPVに進出するというのがあるんですけど、そのためにはヘビー級の再構築が大事だと考えています。アメリカのPPVで勝負するために今、ヘビー級の逸材を揃えていこうと。ロシア、ブラジルの窓口を押さえていって、いずれアメリカでヘビー級、スーパーヘビー級のトーナメントを行おうと考えています。その第一弾として、ロシアのハリトーノフに参戦してもらうことになりました。彼は打撃の素質のある選手なので、オランダのゴールデン・グローリージムで打撃技術をさらに磨いて、K-1の本戦にも参加して、ロシア人のポテンシャルの高さを証明してもらいたいと思います」とコメント。今後、HERO'Sに送り込まれてくるであろうロシア人ファイターについては「ロシアにはヒョードル、ハリトーノフクラスの選手がたくさんいますからね。チャンスをドンドン与えていきたいです」と期待を寄せた。
■ハリトーノフ「ヘビー級王者になりたいと思います」
そして、ハリトーノフが登壇。ハリトーノフは「こうやってまた日本に戻ってこられて満足しています。今後、日本で長いキャリアが続くことを確信しています。すべてがうまくいくと思います。美しい試合を見せたいです」と挨拶すると、HERO'S参戦を決意した心境として「いつもK-1という組織自体が好きでよく見ていました。今回、PRIDEとの契約も終わり、HERO'Sに出ようと決意しました」と語った。現在、ハリトーノフはCLUB VOLK HANで多くのメンバーと練習を重ね、「イリューヒン・ミーシャ、ニコライ・ズーエフ、その他、レスリングのオリンピック王者、サンボの世界王者、柔道のオリンピック代表ら、各格闘技でトップを極めた選手と練習をしています」と、満足した練習環境にある様子。対戦相手のアリスター・オーフレイムの印象については「印象は何もないです。リング上を見ていてください」と不敵な笑みを浮かべると、今後のHERO'Sでの目標については「怪我も治りましたし、誰とでも闘う準備はできています。ヘビー級王者になりたいと思います」と語った。
また、K-1挑戦については、「近い将来挑戦したいです。K-1には名だたる多くの素晴らしいファイターたちがいて、どの選手と闘っても満足した気持ちになると思います。まずはK-1ルールで闘う準備をしてから、誰と闘うか考えたいと思います」と意欲を見せた。
今まで数々の対戦相手を血だるまにしてきた強烈な打撃でHERO'Sでも旋風を巻き起こすことは間違いない。ハリトーノフの活躍に注目だ!!
■磯野元HERO'Sルールディレクターが秋山復帰問題に言及
また、記者会見終了後、磯野元HERO'Sルールディレクターが囲み取材に応じ、無期限出場停止処分中の秋山成勲について言及した。今月3日に行われた記者会見で谷川代表は秋山から謝罪の意の込められた手紙が届いたことを発表したが、テレビ局やスポンサー、審判団に対しても手紙は届いたという。
この謝罪文到着を受け、磯野氏を含む審判団4名は10日に秋山と講習会を実施。磯野氏はその時の様子を「我々としても審判団としての運営方針を伝えるいい機会となりました。秋山選手からは審判団、桜庭選手、ファンのみなさん、そしてHERO'Sに出ている選手たちに対する謝罪と反省の弁があり、審判団としてはそれを言葉どおり受け止めました。秋山選手からは早く復帰したいといった発言はなく、『自分が表現できるのは闘うということだけです』と話していました」と語った。
秋山の復帰については「大晦日の件以降、今後あのような問題が起きないよう、どうすればいいのかを考え、改善してきました。我々審判団はプロモーターとは離れた組織であり、復帰するしないを左右する立場ではありませんが、審判団としては秋山選手の復帰を受け入れる態勢はできているということをご報告させていただきます」とコメントした。■
»『OLYMPIA HERO'S 2007 ~ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦~』実施概要
»セルゲイ・ハリトーノフ:プロフィール
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