■谷川代表「秋山選手にとってはイバラの道」

　会見にはまず谷川貞治FEG代表が登壇。「おかげさまで韓国でも大変に盛り上がっています。先日行われたK-1 WGP以上に盛り上がっているという話も聞いています」と10・28韓国大会に関する韓国内での盛況ぶりを報告すると、「当然、10・28HERO'S韓国大会は韓国人選手が中心となり、“韓国vs世界”という図式でカードを組んでみました。もう一度総合格闘技の“熱”を取り戻すべく、本格派路線のいいカードができたんじゃないかなと思います」と語り、10・28韓国大会の一部対戦カード8試合を発表した。
　11カ月ぶりの試合となる、注目の秋山成勲の対戦相手は、昨年、PRIDEウェルター級グランプリ準優勝を果たした実力者、アメリカン・トップチームのデニス・カーンに決定。
　対戦相手がカーンとなった経緯について谷川代表は、「秋山選手には、前回の記者会見の少し前に何人かの選手をこちらがピックアップして、『対戦相手をこの中から選んでほしい』とリクエストしました。私としては、“今回、秋山選手が誰を選ぶか？”というのは、秋山選手が復帰するにおいて一つの勝負だと思っていました。そんな中、秋山選手は一番強い相手を選びました。ボクの中では“100点満点”の選択でした。デニス・カーン選手は物凄く強い選手です。韓国では秋山選手以上に人気・実力を評価されている選手ですので、いきなり頂上決戦が実現するわけですが、秋山選手にとってはイバラの道。大変な試合になるんじゃないかなと思います。とりあえず復帰しようとかじゃなく、非常な覚悟と自分に課した今後の試練というのを感じ取りまして、期待している次第です」と説明した。

■秋山「一番強い相手と闘うことが何よりの試練」

　続いて、デニス・カーンと対戦することとなった秋山成勲が登壇。秋山はまず、「試合に出られることが自分の喜びだったので、本当に嬉しく思っています。韓国で試合をするということで、韓国のファンの皆様の後押しがあったので、その期待に応えたいですし、意味のある試合にしたいと思います」と挨拶。
　さらに「年末のことから自分を見つめ直して、ツライこととか大きな壁を自分に与えることによって、自分自身、成長できるんじゃないかと思いました。谷川さんにいろんな選手を挙げていただいたのですが、やはり一番強い相手、嫌な相手と闘うことが何よりの試練だと思い、デニス・カーン選手を選ばせてもらいました。カーン選手の実力、韓国内での人気は、自分より遥かに大きいと思います。そういった意味でも、アウェイの中で闘うことになるかもしれませんが、それも自分に課せられた試練だと思っています」と対戦相手にカーンを選んだ理由を述べた。
　また、カーンの印象については「韓国での記者会見の時にカーン選手を初めて身近で拝見することができたんですけど、体がすごく大きくて、骨格もしっかりしていて、筋肉の乗りもよくて、“すごい選手なんだろうなぁ”と思いました。試合はどうなるかは分からないんですけど、カーン選手はパーフェクトな選手なので、立ち技も寝技もいろんな攻防のある試合になるんじゃないかと予測しています」とコメント。
　印象に残っているカーンの試合については、昨年11月に行われた「郷野（聡寛）選手と、三崎（和雄）選手との一戦」を挙げ、「全体的にすごくまとまった選手なので、なかなか隙はないなと思いました。あと、思いっきりのある選手だとも思いました」と感想。「どういう試合を見せたいというよりも、自分がリングに上がって試合をする姿を見ていただきたいなと思います」と意気込んだ。
　谷川代表によると、この試合の結果いかんでは、秋山の大晦日『Dynamite!!』出場の可能性もあると明言。「カーン選手は、FEGが今、このクラスで出せる最強の選手。世界的にも認められるカーン選手を相手にどこまで、何を見せられるかで、自ずと大晦日というのも出てくると思います」と韓国大会での秋山の健闘に期待を寄せた。

■柴田勝頼の出場も決定！

　この日、発表されたカードは8試合だが、最終的には全10試合（オープニングファイトを含めると12試合）くらいになる予定。谷川代表によると、「柴田勝頼選手の出場も決定し、もう一人くらい日本人選手が出る予定です」とのことだ。
　また谷川代表は、「皆さんの知っている、強い韓国人ファイターたちが見られることになると思います」とさらなる強豪韓国人選手の出場を示唆。追加カードも含め、今後の動向に注目しよう！■

»『OLYMPIA HERO'S KOREA 2007』韓国大会概要
»秋山成勲：プロフィール
»デニス・カーン：プロフィール