吉田道場のみんなは家族同然の存在だ

──いつから吉田道場で練習をされているんですか?
テヒョン 8月くらいから吉田道場で練習している。日本に来る前はロシアで練習していたんだ。
──ロシアではどこで練習を?
テヒョン (エメリヤーエンコ・)ヒョードル選手の所属するレッドデビルで練習した。
──ヒョードル選手からは何かアドバイスをもらいましたか?
テヒョン うん。ロシアに渡った時はまだ総合を始めたばかりだったので、基本になる姿勢だったり、「こういう姿勢は直したほうがいい」とか、基礎的な技術についてアドバイスしてもらったよ。
──吉田道場では週に何回、何時間くらい練習されていますか?
テヒョン 週に6日間、一日4〜5時間くらいだね。午前中はテイクダウン、パウンディング、グラップリングを盛り込んだ総合的なトレーニング。午後になると、午前中に行なった練習を吉田道場の石井(大輔)トレーナーがチェックして、修正点、足りないところを練習するんだ。
──先程の練習でスタンドでのヒザ蹴りを入念に行っているようでしたが?
テヒョン ヒザ蹴りは時間をかけて頻繁に練習している。自分のペースで試合運びをする上で、重要な役割をする技だからね。
──吉田道場での練習はどうですか?
テヒョン 吉田道場のみんなにはとても感謝している。吉田(秀彦)選手、カズ(中村和裕)選手を始めとするいろんな選手が、未熟なオレに技術を教えてくれるからね。家族同然の存在だと思っているよ。
──吉田道場の皆さんから山本宜久戦に向けて何かアドバイスはもらいましたか?
テヒョン 山本戦を特定したアドバイスというのではなく、試合に必要な技術を総合的にアドバイスしてもらっているよ。
──総合デビュー戦となった昨年9月のヒカルド・モラエス戦以降、どんな部分に重点を置いて練習してきましたか?
テヒョン あの試合は、総合を始めて1ヵ月という、本当に準備期間がない中での総合デビュー戦だったんだ。あの時の自分が持っていたのはたった一つ、それは“できる”という自信だけ。でも、実際に試合をしたら、大変厳しいスポーツだと感じた。総合を始めた時は、それまでシルムで培った体のバランスというものをすべて改造しないといけなくて、ここを直せばいいとかではなくて、すべてにおいて修正しなければならなかったんだ。1年経った今でも、そのプロセスの中にオレはいる。だから、練習をするときは最善を尽くして、この世界の頂上に到達することができるように頑張りたいと思う。そして、進化した姿をファンのみんなに披露して、その喜びを感じたい。
──総合格闘技とシルムとでは大きくどこが違いましたか?
テヒョン 一番大きな違いは、"呼吸"だね。シルムの場合は、「呼吸を止め、瞬間的に力を振り絞って、爆発させる」ということが大事だったんだ。でも、総合の場合は、「呼吸をずっと続けながら、動作を続ける」という感じ。そこが一番違うね。そのクセを直すのには苦労したし、まだそのクセが抜け切れていない。今後の練習で、その部分を完全に直すつもりだよ。


シルムで培ったパワーを使って前に突き進む

──HERO'S初参戦となりますが、今の心境を教えてもらえますか?
テヒョン 嬉しいね。K-1やHERO'Sは、シルム出身の選手がたくさんいるので、親しみを感じているよ。
──同じシルム出身で、現在K-1で活躍するチェ・ホンマン選手のことは意識しますか?
テヒョン チェ・ホンマン選手に対してはライバルというよりは、同じシルム界で活躍した仲間という気持ちだね。ともに頑張っていい成績を残せたらと思うよ。
──母国・韓国で試合をすることについてはどう思いますか?
テヒョン とても緊張しているよ。一年間のトレーニングでどれほど成長したのか自分でも確認したいし、韓国のファンも大変な期待をしてくれていると思う。その期待に応えられるように頑張りたい。
──対戦相手である山本宜久選手の印象を教えてくれますか。
テヒョン まずは、背が高い。それからサウスポーで、予想していなかった闘い方をする選手。周りの選手から色々アドバイスをもらいつつ、研究を進めているよ。
──では、最高の勝ち方というのは、どのような展開でしょう?
テヒョン パンチラッシュを相手に浴びせて、その隙を狙ってテイクダウンに持ち込む。それからパウンドを落としてフィニッシュというのが、最高の勝ち方だね。シルムで培ったパワーを使って、前に突き進むスタイルの闘い方をしたい。
──山本戦に向けての意気込みをお願いできますか。
テヒョン HERO'Sでのデビュー戦なので、最善を尽くして自分の持っている力を何が何でも出し切りたい。その結果、必ず勝利が付いてくるように頑張りたいね。
──今後の目標は?
テヒョン 試合で勝ち続けることだね。
──かつて、シルムの世界では“シルムの王”と呼ばれていましたが、総合格闘技の世界でも“総合の王”と呼ばれる自信はありますか?
テヒョン 常に努力を続けるだけだね。“シルムの王”という称号は、ただでもらえたわけではなく、血のにじむ努力を重ねた結果、そのような称号を得た。総合でも同じように努力するだけだよ。
──最後にHERO'Sファンに向けてメッセージをお願いします。
テヒョン 一年間トレーニングを積んで戻ってきた。勝てるように最善を尽くすので、ご声援よろしくお願いします。■

 

»『OLYMPIA HERO'S KOREA 2007』韓国大会概要
»イ・テヒョン:プロフィール

10・28韓国大会でHERO'S初参戦を果たす“シルムの王”イ・テヒョン


シャドーではヒザ蹴りを何度も繰り出していた


2カ月前から吉田道場で練習しているというイ・テヒョン。トップファイターたちと充実した練習を行っていた
吉田秀彦ともスパーリング。吉田道場のファイターたちにもまれ、進化を続けている
パウンドの落とし方についてアドバイスを受けるテヒョン
「シルムで培ったパワーを使って、前に突き進むスタイルの闘い方をしたい」。山本宜久を相手にHERO'S初参戦初勝利を果たすことはできるか!?

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