サーシャ・バクティンからパンチ技術を指導

 公開練習に先立ち行われた囲み会見でKIDは、先々週から先週にかけて、KIDの母校である山梨学院大でレスリング特訓を行ったことを告白。「パワーを付けるために1階級上の選手、スピードに対応するために1階級下の選手と練習させてもらった。パワーも付いたし、スピードにも対応できるようになった」と充実した内容であったことを明かした。
 対戦相手であるハニ・ヤヒーラについては、「引き込まれるのはイヤっすね」とやはりグラウンドへの引き込みを警戒しつつも、「でも、前回(9月のビビアーノ・フェルナンデス戦)は凌げたからね。テイクダウンされたら自分のペースでできなくなるから苦戦すると思うけど、テイクダウンされなければ、まあ大丈夫でしょう」と余裕のコメントを発した。
 KIDのこの余裕のコメントの裏には、ある秘密があった。KIDは今月7日に協栄ボクシングジムを来訪。プロボクシング元日本バンタム級王者のサーシャ・バクティンからパンチ技術を伝授したというのだ。KIDはサーシャの元を訪れた理由について、「前に他の選手の試合を見に行った時に、サーシャの試合を見て凄い衝撃を受けて、『これ、総合でも全然いける選手だよ』と思った。普通の選手は腕を上げてガッチリガードを固めているんだけど、あれは参考にならない。サーシャは足を使って、ガードを下げ気味にして、タックルにも対応できるパンチ。自分のスタイルに合っているかなと思った」と説明。
 サーシャのボクシング技術を体験したKIDは、「でも、今回の相手はテイクダウンが目的だから、(サーシャから)教えてもらったことを自分流に変えていこうと思う」と、対柔術ファイター用にアレンジして大晦日のヤヒーラ戦に臨むようだ。
「今までは“強い”だけだったけど、これからは“巧い”も取り入れていこうと思う。今までは自分流でやってきただけ。これからはより完璧なスタイルを目指す」と、“新・KID流”の確立を宣言した。


“新・KID流”の確立は新ジム設立の影響

 しかし、今まで自己流ですべてをこなしてきたKIDにとって、ボクシングジムで打撃の技術を学ぶというのは異例のこと。その要因には、新ジム設立の影響があるようだ。KIDが代表を務める「KILLER BEE」は、来年2月1日よりジムを移転するとともに、名称も「KRAZY BEE」に変更。今までのジムよりも「3倍くらい」の広さとなり、リングとケージも導入。そして、女性・子供も含む一般会員の練習スペース・内容も充実させていくというのだ。「これからは子供たちにも教えていきたいんで、人を教えるには技術が必要。オレ自身が教えるのは引退してからだけど、それまでにどんどん技術を取り入れていこうと思う」と、その心境を語っていた。
 ちなみに、ジムの名称を「KRAZY BEE」に変更した理由について、KIDは「子供たちもくるんで、ちょっと“ヤバさ”を取って、明るいイメージにしていこうかなと(笑)」と説明。しかし記者からの「あまり(“ヤバさ”は)取れていない気が……」との指摘に、「えっ! ……マジ!? ちょっとは優しい感じになったんじゃないかと思ったんだけど……(笑)」と、こちらは今まで同様、独自の“KID流”を存分に発揮していた。


ヤヒーラ対策の万全ぶりをアピール!

 そして、囲み会見終了後、KIDは公開練習を敢行。5分3Rのスパーリングを披露した。KIDは、前蹴りで相手との間合いを取ると、巧みなカウンターのミドル、ボディブローをヒット。また、グラウンドで上になるとすかさず強烈なパウンドを落とせば、イノキアリ状態になった時は腹部への踏み付けを見せるなど、ヤヒーラ対策の万全ぶりをアピールした。
 大晦日『Dynamite!!』でのハニ・ヤヒーラ戦では、KIDの打撃に注目だ!!■

 

»『FieLDS K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!』実施概要
»
»『2007.12.31 Dynamite!! | SPECIAL SITE』
»プロフィール:山本“KID”徳郁

KIDはプロボクシング元日本バンタム級王者、サーシャ・バクティンからパンチ技術を教わったことを明かした


パンチへの自信を感じさせたKID。「オレがこかされたら盛り上がるんじゃないですか?(笑)」と余裕のコメントも

時折見せた左のボディストレート。ズドンとモロに入り、スパーリングパートナーが苦悶の表情を浮かべる場面もあった
相手が入ってくる瞬間を狙い、左ミドルをズバッ! 絶妙のタイミングだ!
KIDと言えば、破壊力抜群のパウンド。ヤヒーラに炸裂させることはできるか!?

Copyright (C) 2007 HERO-S Mail to:
Copyright (C) 2007 G.T.Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
当サイトで使用している写真およびテキストの無断転載を禁止します。